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人口の高齢化とともに大動脈弁狭窄症(aortic stenosis AS)の患者さんが増加しています。高齢者大動脈弁狭窄症の主な原因は,大動脈弁の加齢による変性であり,65歳以上の高齢者における大動脈弁狭窄症の有病率は2〜4%と報告されています。大動脈弁狭窄症は長期間無症状で経過しますが,心不全・狭心症・失神などの症状を呈すると予後不良であることが知られています。大動脈弁狭窄症の患者さんは,心雑音を含め特徴的な理学所見を呈し,その診断にはフィジカルアセスメントが有用ですが,重症度の評価には心臓超音波検査が欠かせません。大動脈弁狭窄症の治療は,外科的大動脈弁置換術(aortic valve replacement AVR)が基本ですが,患者は高齢者が多く,冠動脈疾患,脳卒中,認知症などの他,がん,糖尿病,CKD,COPDなどの他臓器合併症を有することが多く,さらには日常生活(ADL)の自立が困難な障害(disability)や生理的予備能の低下によりストレスへの抵抗性が低下した虚弱(frailty)といった高齢者に特有の病態もまれではありません。このような周術期リスクが高くAVR の適応とならない患者に対し,より低侵襲な治療として経カテーテル大動脈弁植込み術(transcatheter aortic valve implantation TAVI)が開発されました。2002 年にフランスのCribier 教授によって第1 例目が施行されて以降,現在まで欧米を中心に世界で9 万例以上実施されています。わが国でも,TAVIデバイスが承認され,急速に普及しつつあります。TAVIでは,循環器内科医(インターベンション,心エコー,CT)と心臓外科医ばかりでなく,麻酔科医,放射線科医,リハビリテーション科医,老年科医,さらに看護師や臨床工学技士を含むコメデイカルで構成される集学的ハートチームが必要です。本特集では,「今増えている高齢者大動脈弁狭窄症」について,わが国を代表するエキスパートにわかりやすく概説いただきました。循環器診療を担う看護師さんに,高齢者で増加する本症の病態・診断・治療について理解を深めていただく一助となれば幸いです。
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出版社からのコメント
人口の高齢化とともに大動脈弁狭窄症(aortic stenosis AS)の患者さんが増加しています。高齢者大動脈弁狭窄症の主な原因は,大動脈弁の加齢による変性であり,65歳以上の高齢者における大動脈弁狭窄症の有病率は2〜4%と報告されています。大動脈弁狭窄症は長期間無症状で経過しますが,心不全・狭心症・失神などの症状を呈すると予後不良であることが知られています。大動脈弁狭窄症の患者さんは,心雑音を含め特徴的な理学所見を呈し,その診断にはフィジカルアセスメントが有用ですが,重症度の評価には心臓超音波検査が欠かせません。大動脈弁狭窄症の治療は,外科的大動脈弁置換術(aortic valve replacement AVR)が基本ですが,患者は高齢者が多く,冠動脈疾患,脳卒中,認知症などの他,がん,糖尿病,CKD,COPDなどの他臓器合併症を有することが多く,さらには日常生活(ADL)の自立が困難な障害(disability)や生理的予備能の低下によりストレスへの抵抗性が低下した虚弱(frailty)といった高齢者に特有の病態もまれではありません。このような周術期リスクが高くAVR の適応とならない患者に対し,より低侵襲な治療として経カテーテル大動脈弁植込み術(transcatheter aortic valve implantation TAVI)が開発されました。2002 年にフランスのCribier 教授によって第1 例目が施行されて以降,現在まで欧米を中心に世界で9 万例以上実施されています。わが国でも,TAVIデバイスが承認され,急速に普及しつつあります。TAVIでは,循環器内科医(インターベンション,心エコー,CT)と心臓外科医ばかりでなく,麻酔科医,放射線科医,リハビリテーション科医,老年科医,さらに看護師や臨床工学技士を含むコメデイカルで構成される集学的ハートチームが必要です。本特集では,「今増えている高齢者大動脈弁狭窄症」について,わが国を代表するエキスパートにわかりやすく概説いただきました。循環器診療を担う看護師さんに,高齢者で増加する本症の病態・診断・治療について理解を深めていただく一助となれば幸いです。